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不服申立てのススメ26 悪性新生物-7 公開審理 保険者の視点から|名古屋市の障害年金は社労士オフィス結
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2023 / 06 / 30
不服申立てのススメ26 悪性新生物-7 公開審理 保険者の視点から
いきなりですが、
米国の腫瘍学会研究団体による評価では
化学療法の対象となるのはPS2までの患者、
つまり歩行可能で自分の身の回りのことは全て可能だが、作業は出来ない、
日中の50%以上はベット外で過ごす患者までとされる。
これは公開審理当日に渡された保険者意見です。
公開審理当日に初めて出してきた意見ですので、
これを切り札にするつもりなのでしょう。
まずPSとは・・障害年金の分野でおなじみなのは
「慢性疲労症候群」や「化学物質過敏症」の認定に利用される重症度評価であり、
年金機構の認定事例によれば2級に該当するためにはPS8が基準とされています。
このイメージからするとPS2ってずいぶん低い評価に思えますが、
これについては別件「卵巣がん」の方の診断書に、
PS 2から3の間くらい、という医師所見があり
事前に調べ済であった為、驚きはありませんでした。
PS 2についての文言は、障害年金の内部障害・一般状態区分アイウエオ評価の「ウ」とほぼ同じなので、
障害年金では2級に充分該当するからです。
それでは保険者意見の狙いは何なのか?
ここからは私の推測ですが、保険者の視点に立って
今回の不申し立て請求を棄却にもっていく筋書き
を描きたいと思います。
(※繰り返しますが推測です)
保険者の視点
保険者の狙いは一般状態区分「ウ」を強調する事
悪性新生物も含む内部疾患に関しては、
2級は、一般状態区分は「エ」か「ウ」に該当
3級は、一般状態区分は「ウ」か「イ」に該当
とあり「ウ」は2級と3級の両方の可能性を含んでいます。
審査請求の棄却決定を受けて、
請求人側が一般状態区分「エ」以上を主張してくることを
予想して牽制するともに
3級該当の「ウ」であることに持っていく事を狙います。
※「イ」だって主張すると、さすがにソレはねーよ!
と審査会や参与の印象が悪くなります。
次の保険者の狙い
本件請求者の1か月のサイクルを検証
① ② ③
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
① 4日間の入院治療
② 治療後約2週間 副作用で症状が最も悪化する時期
③ 回復している時期 約2週間
以後①~③のサイクルを繰り返す。
(自分は②の状態を強調しようとしていたのだが、)
①と②の時期については
誰がどう見ても「日常生活に著しい制限を受けている」
でも③については、請求人側も言及していない。
ならば「日常生活に著しい制限を受けていない」
時期であることを主張・強調してやろう。
このように、
①制限あり ② 制限あり ③制限なし(約2週間)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この1か月を一本のラインで可視化すると、
1か月の半分近く「日常生活に著しい制限を受けていない」
割合が占めることが一目瞭然となる。
(※メッチャ感じ悪いですが、あくまでも私の推測です)
つまりこれで、1か月スパンを見た場合に
①と②の時期は確かに日常生活に著しい制限を受けているかもしれないが、
一般状態区分は「ウ」相当であり(ガンのPSが根拠)、
半分近くの時期は、日常生活に著しい制限を受ける時期とは言えないのだから、
障害厚生年金3級相当と判断せざるを得ない
という結果に導くことが出来るのです。
これに対して、請求人側が①②の時期を一般状態区分「エ」か「オ」に該当すると主張したとしても、
意見書で挙げた米国の腫瘍学会研究団体による評価にくらべて説得力がない。
また化学療法可能な状態ならば衰弱とは言えない、という保険者意見に対して理不尽だと主張されても、
化学療法を計画通りには行えない患者例などを示せば、
審査会や参与もそういった例を認識し、請求者の代理人だけがそれを知らないという
公開審理の場で、、公開処刑のような惨敗
に陥れることができる・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これが公開審理当日の保険者意見の狙いです。
(※繰り返しますが推測です)
(※そんなこと思ってないかもしれません)
以前感じていた主張方針についての違和感というか、
ノットエレガントの正体はこれだったんですね。
・・・実は相当やばかった・・・・
悪性新生物編は今回で締めようと思っていたのですが、
保険者視点で考え始めたら面白くなってしまい、
長くなりすぎましたので、
また次回へ、
続く
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